■不登校の子どもとのカウンセリングで短期間で効果をあげる6つの方法
全国ICTカウンセラー協会
安川雅史
◆リレーションをしっかり作る
この先生なら安心だと思われることが大切。非言語的態度、言葉、表情
◆生徒の気持ちに寄り添い、生徒の身になって考える。
うなずき方、うなずくタイミング、相手の話を聞く姿勢、表情も大切
◆感を磨く(記憶力)
前回の相談内容を次回の相談の前にしっかりと読み返し、思い出しておく。面談記録を生徒が来る前に読み返しておき、話を進めると自分のことをしっかり理解してくれていると感じ心を開く。
◆生徒が入室したときに、待たせたりせず、すぐに気持ちよく対応する。しっかりと相手の目を見て対応する
◆対面法
一方的に話をさせたり、調書をとるような聞き方をしたりせずに、お互いに語り合えるようにする。生徒の話にもしっかりと耳を傾ける。
◆評価的な響きがある言葉はなるべく使わない。否定的な言葉や相手を評価する言葉は避ける。
不登校の子どもへの電話がけ
全国ICTカウンセラー協会
安川雅史
学校で不登校の子どもの対応をすると、だいたい最初は担任の先生が一生懸命電話をかけます。一生懸命電話をかけて、家庭訪問も何回か行きます。ところが、親の方から、「先生もういいですから、あまりかまわないでもらえますか。電話なんてかけないでくれますか」と言われ、電話もかけられなくなってしまいます。そして、その子との距離ができてしまう。来られない子に対して、いきなり誘いかけをしたら、子どもは2回目から電話を拒否します。親に電話がきても、「出たくない」と言うでしょう。そうすると余計に子どもとの距離ができてしまう。その子と会話もできなくなってしまうわけです。凧の糸と一緒で、先生方が誘いかけをやめた時点で、その子との関わりは切れてしまいます。そこから復活するということはありません。安川も高校で教員をやっていたことがあります。そのときは必ずアンケートをとっていました。「先生の名前は安川雅史だよ。みんなの名前も書いてね。先生は北海道上川郡の剣淵町というところの出身だよ。みんなはどこで生まれたの?先生の趣味は釣りだよ。みんなの趣味はなあに?」全部キャッチボールにしたアンケートです。先生方も、特に保健室や相談に来た生徒と時間があるときに、「先生とちょっとやりとりしようか」とアンケートをとってみてはどうでしょうか。アンケートって面白いです。一方通行のアンケートではありません。キャッチボールのアンケートをとることによって、先生のことも分かってもらえるということがあります。それから、アンケートをとることで、この子はこういう話題だったら必ず乗ってくるなというのが分かります。この情報を得るということは大切です。さらにアンケートをとるときに、「何かあったときの連絡先として、携帯番号を書いてね」と書いておきます。不登校の子どもの場合、自宅に電話をかけると親に聞かれているので、なかなか本音を話せないのです。携帯電話だと、自分の部屋にこもってコソッと話せます。親に話せない内容でも話せるということがあるのです。また、自宅に電話をかけた場合、立ったままの状態で電話に出ます。これは不安定状態になります。携帯電話にかけた場合、自分の一番リラックスできる状態で、携帯電話に出られるわけです。安定している状態なので、思っていることをちゃんと素直に心の中でまとめて話ができるということがあります。さらに、「明日からでも学校においで。1時間でもおいで」という誘いから入ってしまうと、電話に出られなくなってしまいます。つながりがなくなってしまうのです。まずは心配だという気持ちを、必ず最初に伝えてください。それから、子どもの名前を必ず呼ぶ。そして、その子の得意なことを話題にする。自分の得意なこと、話したくてしかたない話題を振られているわけですから、必ず子どもの方から返事が返ってきます。「おいで」という一言はいりません。次に電話をかけたとき、学校の番号が表示されてもすぐ出ます。それを毎日繰り返していくと、今度は電話が子どもにとって楽しみになるのです。家庭でも同じです。家庭の中でも学校の話題から入るとどうなるか、想像がつきますね。つまり、こういう話題だったら、乗ってくるというところから振っていけばいいだけのことです。この電話でのやりとりを普段から繰り返し行っていくということは、子どもとの信頼関係をつくっていることになるのです。信頼関係をつくっていくとどうなるか。今度は子どもの方から「実はこういう理由で学校に行けないんだよね」と本音を話すようになってきます。中には、自分で行けない理由が分からなかったとしても、先生を信頼して話していく中で、何となくその理由が分かってくるケースもあります。今までの先生方というのは、その子が学校へ通えない理由が分からないのに、とにかく「学校においで」から入っていたのです。その場合は大体、失敗しています。順序を追って信頼関係ができると、子どもの方から話をしてきます。先生方が子どもから直接理由も聞かないで、「理解している」というのはほとんどが親から聞いた内容で、この子は、「たぶん、こういう理由で不登校になっている」というものです。または、クラスメイトから聞いた理由。それは、はっきり言って外れています。子どもと実際に会っていろいろ話をしていくと、「まったく別な理由で行けなかった」というようなことがけっこうあります。先生方も、まずは本人から聞かなければならないのです。本当のことが分かっているのは本人ですから。だから、一番大切なのは、その子と連絡をとることです。先生方の中には、手紙を書くという方もよくいるのですが、不登校の子どもは手紙の封は開けません。先生方は手紙を送ると、それで安心してしまいます。手紙を書いたから、読んでくれているだろうと思っているのです。子どもは不安な内容は読みません。そのままになって、手紙だけがボンボン積み重なっています。しかし、今の子どもたちは手紙は読まなくても、メールは読みます。メールアドレスが分かっていれば、メールで連絡をとるという方法もあります。子どもたちは、迷惑メールでも、嫌がらせのメールでも、いじめのメールでも読みます。つまり、先生から来たメールも、読むのです。メールを送るときも電話での対応と同じです。まず、その子の名前を連呼するということが大切です。それから、電話と同じ口調で、その子がこの話題だったら乗ってくるなという話題にまず触れていくことです。もうひとつあります。メールの場合は、できるだけ質問事項を付けてください。クエスチョンマークです。自分にとって不都合な質問以外は、返信が返ってきます。人間はメールの場合、拒否反応が少ないのです。メールで連絡をとり合うということもひとつの方法です。しかし、自分の携帯番号は使わないでください。できるだけ学校のメールアドレスから送ってください。不登校の子どもと自分の携帯でメールのやりとりをしてしまうと、昼夜逆転しているような子どもですから、夜中の2時、3時でも、平気でメールが来ます。それに対して、すぐ返信が来なかったら、それだけで不安定になってしまう子もいます。「この時間は授業が入っていなくて空いているから。返信待っているよ」と初めから子どもに伝えておいた方がいいです。「この時間からこの時間の間は、先生は空いているから、返信できるよ」ということで。子どもから返信がきたら、その内容をよく見ることです。最近の子どもは、絵文字とか顔文字とかデコメとかテンプレートとかを使ってメールを送るのです。子どもらのメールに対してはデコメにはデコメで、絵文字には絵文字で返してください。普通の文章で「分かった」とか「了解」と返すと、嫌われていると子どもは思うのです。デコメにはデコメで返してあげると、子どもの返信はすぐにまた来ます。そこからまた信頼関係をつくっていくという方法もあるわけです。メールというものは、いじめの道具にもなりますし、不登校の子どもを誘い出す方法にもなっていくわけです。全国webカウンセリング協議会の研修会では、不登校児への電話のかけ方についても詳しく学べます。
全国ICTカウンセラー協会
代表理事:安川雅史
○メンタル面からのアプローチ
安川雅史
現代の日本社会では青少年もストレスにさらされている。親の別居や離婚、再婚などによるストレス、偏差値教育によるストレス、貧困生活によるストレス、虐待によるストレス、いじめによるストレスなど様々である。インターネットやケータイ、ゲームが青少年に与える影響も大きくなっている。親とゆっくり向き合って会話をすることも少なくなり、人間関係が希薄化し、自己表現がうまく出来ない若者も増えている。このような状況下で青少年の精神状態が不安定になってきているのである。そのようなストレスは、身体的症状や、精神的症状として現れ、不登校や問題行動など社会的逸脱行動に出る事が多い。青少年の問題行動は、その原因が乳幼児期、学童期の親との関わりの中にある場合が多い。青少年の問題行動を考える時、今の青少年の状況を考える前に、親が乳幼児期、学童期に子どもと正しい関わりをしてきたかどうかを思い返すことが重要である。青少年が問題行動を起こしても親が自分たちの子育てを振り返らなければ解決に結びつかないケースが多いのである。子どもは親を人間としてのモデルとして日頃から見習い成長していく。夫婦間の関係が悪かったり、会話がなかったり、隣近所との関わりが悪ければ子どもに悪影響が出て当然である。子どもだけではなく、親も含めてメンタル面からアプローチすることは今の時代、必要不可欠なことであると言える。ストレスが溜まった時や不安な時に、周囲に相談せずに自分の殻に閉じこもってしまうと、大事なコミュニケーションがうまくいかなくなり、周囲の人との関係もギクシャクしてしまうことがある。
青少年の相談にのる場合は、その青少年の性格的な傾向をエゴグラムなどでつかんでおくことが望ましい。またその青少年に関わる周囲の者の養育状態なども把握しておくべきである。たとえば、不登校の青少年にアプローチする場合は、学校教育では勉強の遅れなど知的な面が優先されるが、メンタル面からアプローチをかける場合は、「なぜ欠席しなければならないのか?」など人間の情的な面が優先されるのである。青少年の相談にのる時に大切なことは青少年の出すわずかな信号でも見逃さずに受け止めることである。子どもは防衛機能が出来上がっていないため、大人から見ると異常に思える行動を取ることがある。不満や葛藤が起きると我慢が出来ないため、泣いたり、怒ったり、騒いだりと行動に移すのである。思春期以降になると自意識が出来てくる。つまり見られる意識が出てくるので異常と思える行動を取ることは少なくなる。しかし、見られる意識ばかりが強くなると自意識過剰になり対人恐怖症になるケースもある。また、我慢し過ぎる子どもはバランスが取れなくなり、様々な神経症として現れ、不適応症状でバランスを取ろうとするのである。このバランスの悪さが思春期に歪みが出る原因のひとつにもなるのである。メンタル面からのアプローチは信頼関係の上に成り立つと言っても過言ではない。大切なことは、相手の話にしっかりと耳を傾け共感すること。うなずくタイミングや豊かな表情も大切である。ありのままの相手を受け入れること。指導者ではなく援助者としての気持ちを常に持ち続けること。結果を急いで求めないこと。たえず、メモを取りながら相談にはのらないこと。メモばかり取っていると調書を取られている気分になってしまい、相談者の表情の変化にも気付くことが出来ないからである。否定的な言葉や相手を評価する言葉は避けること。相談が終了したら必ずその日の相談内容をまとめておき、次の相談日までに読み返し前回の相談内容を頭に入れておくことも重要である。相談を受ける場合の3つの手順は、
①信頼関係を作る
②問題の核心をつかむ
③適切な処置をして問題を解決する。
である。
相談を受ける上で3原則は、まず、時間制限のルールである。これは、いつまでもだらだらと話をさせず、問題解決を早めるためである。次に、愛情制限のルールである。これは相談者との個人的接触が強過ぎると、相談を受ける側の私的世界がわかりすぎて、相談者の自己表現を阻止することがありうるからである。最後に秘密保持のルールである。秘密が守られなければ、もちろん心を開いて相談することはありえないからである。最近、カウンセリングマインドという言葉をよく耳にするが、これは、相手の心に気を配り相手の心を共有して、相手が安らぐように配慮することを意味する。言い換えれば相手の立場になって、相手の身になって心を配ることである。相談にのる人は常にカウンセリングマインドを持っていることが重要である。人には、「自分自身ではわかっていないが周りの人がわかっている面」「周りの人はわかっていないが自分自身はわかっている面」「自分自身も周りの人も気付いていない面」がある。これが、メンタル面からアプローチし、カウンセリングマインドを持って対応することにより、次第に明らかになり、相談者の可能性を引き出し、相談者の将来への展望が開けてくることにつながるのである。また、相談を受ける立場の者が常に自分を顧みて、自分自身が向上しよう、成長しようという姿勢が強い時に、相手の心も受け入れることが出来るようになるのである。相手の言葉に感情的になったり、身構えていては相手も心を開かない。メンタル面からアプローチをかける上で大切なことは、「問題行動の背景をしっかり踏まえた上で適切な対応をする」と言うことである。ニートやひきこもりの青少年の大多数が家族を含めたメンタル面からの支援が必要である。本人だけではなく親自身にも問題があることが多いからである。親とも話し合いを重ね、親の苦しみをわが苦しみと意識し十分に話を聴くことが大切である。その際、親と相対するのではなく、共に協力し、子どもの成長を願う気持ちが大切である。親の養育態度に問題があると決め付け、親の今までの子育てを非難してばかりでは問題解決にはつながらない。親の立場になって配慮し、親の良き理解者、良き協力者として親の思いや願いに目を向け、可能な限り援助しようとする姿勢があれば、信頼関係が芽生え、青少年のより良い成長へとつながっていくのである。ニートやひきこもりなど社会参加出来ない家族をメンタル面から支援していくには継続性がなければならない。数回の話し合いだけで改善されることはないと思ったほうがよい。本人や親のモチベーションを維持するためにも、まめに話し合いを持つことが必要である。親の頑張りや本人の頑張りを評価したり、支援策を再検討することも有効である。家族を含めた支援をしていくことにより家族の中に変化が現れる。家族の良い変化は子どものやる気と行動につながる一番の近道である。最近は犯罪も低年齢化、凶悪化し、情緒不安の青少年も増えている。相談を受ける立場の人は、時として痛み苦しんでいる人を見下す傾向がある。このような中で信頼関係が出来ることはありえない。相談を受ける立場の人は、苦しみ、悩みに共感する気持ちが大切である。
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ネット問題の専門家であるネットいじめの専門家の安川雅史氏と東北大学教授の川島隆太氏の監修によるパンフレット。ネット依存やネットいじめなどの事例によりインターネット利用の危険性を示すとともに次の3つの対策について周知啓発します。